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石炭火力「9割削減」のからくり 「脱炭素」背景に原発復活の意図? - 毎日新聞 - 毎日新聞

日本の石炭火力技術の海外輸出に抗議する国際NGOメンバー。世界的には石炭火力への視線は年々厳しさを増している=ドイツ・ボンで2017年11月9日午前9時45分、五十嵐和大撮影

 政府が地球温暖化対策として、二酸化炭素(CO2)排出量の多い非効率な石炭火力発電所の9割を2030年度までに削減する方針を打ち出した。小泉進次郎環境相が「エネルギー政策に風穴が開く」と評するほどの「大転換」。原発再稼働が進まない中で、石炭依存を続けてきた電力業界はさぞ泡を食っているかと思えば、案外淡々としている。この落ち着き、一体なんなのか。取材すると、やっぱり一筋縄ではいかない現実が見えてきた。【統合デジタル取材センター/岡大介、経済部/高橋祐貴】

 「具体的な年限が定められた方が民間企業としては動きやすい。業界の一員として歓迎です」。ある大手電力社員に政府方針について聞いてみると、その感想は淡々とし、かつ前向きなものだった。

 石炭火力発電は、石炭の燃焼熱で発生する蒸気などでタービンを回し、発電する施設だ。東京電力福島第1原発事故以降、原発の再稼働が進まなくなる中、主力電源として重要度を増した。火力発電の主力燃料は他に液化天然ガス(LNG)もあるが、石炭のメリットはなんと言っても資源価格の安さだ。政府による試算(14年モデル)によると、石炭火力の発電コストはキロワット時12・3円とLNG火力の13・7円より安いとされる。また、調達できる国が中東などに偏らず多様なため、安全保障の観点からも政府は電源の柱に据えてきた。

 だが、地球温暖化が世界的な問題になる中、CO2を排出する電源として石炭火力への風当たりは強まる一方だ。欧州各国は相次いで20年代に石炭火力を廃止する方針を表明。海外の銀行や年金基金などは、石炭火力の建設プロジェクトや建設企業への投融資を相次いで取りやめており、国内大手銀行にも追随する動きが出ている。

 こうした中で、日本は昨年の地球温暖化対策の国際会議「COP25」で「脱石炭」への道筋を示せず、NGOなどから批判を浴びた。今回の決定は、ようやく具体的な年限と削減規模を示したもので、小泉環境相は3日の閣議後記者会見で「動かざること山のごとしだった業界に、風穴が開いた」と評価してみせた。

 一見すると世界の潮流に沿ったように見える今回の決定。だが、そこには当然のようにからくりがある。そ…

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