中国、2カ月ぶり利下げ 中小企業の利払い負担軽減 - 日本経済新聞

中国人民銀行は0.2%利下げし、中小企業などの利払い負担を軽減するねらいだ

【北京=原田逸策】中国人民銀行（中央銀行）は20日、事実上の政策金利である最優遇貸出金利（LPR、ローンプライムレート）1年物を4月分は3月から0.2%下げ、3.85%にすると発表した。2月以来、2カ月ぶりの利下げとなる。新型コロナウイルスの感染拡大で打撃を受けた中小企業などの利払い負担を軽減するねらいだ。

LPR1年物は優良企業向けに適用する貸出金利。昨年8月から公表を始め、人民銀行は以前の貸出基準金利に替わる政策金利と位置づける。

新型コロナが拡大した1月以降、LPRを下げるのは2回目となる。前回の下げ幅は0.1%だった。LPRに貸出先の信用リスクや事務費を上乗せし、実際の適用金利が決まる。LPRが下がれば中小企業向けの金利も下がりやすくなる。

中国共産党は17日開いた政治局会議で「貸出金利の下げを誘導し、資金を実体経済、特に中小零細企業に行き渡らせる」と指摘し、人民銀行に利下げや預金準備率の引き下げを求めていた。

同時に公表したLPR5年物は前月比0.1%低い年4.65%だった。下げ幅は1年物より小さかった。LPR5年物は銀行の住宅ローン金利の目安となるため、大幅に下げると不動産バブルを誘発しかねない、との懸念が指導部内にある。

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