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株、日銀短観は「スルー」? 二番底懸念に投資家動けず - 日本経済新聞

1日午前の東京株式市場で日経平均株価は続落し、前日比177円安の1万8739円で前場を終えた。日銀が同日公表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)では大企業・製造業の景況判断指数が7年ぶりのマイナスに落ち込んだ。市場予想を上回る内容ではあったが好感した買いは入らず、個別業種の先行き判断に呼応した売買もほとんどみられない。新型コロナウイルスの感染者数増加による経済停滞は「ここからが本番」と、様子見を決め込む中長期投資家の苦悩が浮かび上がる。

「あくまで『中間報告』にすぎない」。野村総合研究所の木内登英エグゼクティブ・エコノミストは今回の日銀短観についてこう表現した。

今朝発表された3月の日銀短観で、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(DI)はマイナス8。QUICKが事前に集計した民間予測の中心値(マイナス10)は上回ったが、悪化幅は7年3カ月ぶりの大きさだった。新型コロナの感染拡大による景気悪化懸念が影を落とし、朝方に日経平均の下げ幅は400円に迫る場面があった。

市場では「短観の悪化は織り込み済み」として売り一巡後に下げ渋ったが、木内氏は「市場の反応は楽観的すぎる」と手厳しい。今回の調査は回答基準日が3月11日で、まず東京五輪の1年延期の決定の影響があまり織り込まれていない。さらに木内氏は「すでにロックダウン(都市封鎖)などが実施され、4~6月期に年率2桁のマイナス成長に陥る公算が大きい欧米経済の悪影響を反映しきれていない」と指摘する。

欧米経済の急速な悪化は日本の輸出企業に打撃となりかねない。今回、大企業の自動車の業況判断DIは過去最低となった宿泊・飲食サービスなどに比べると小幅な悪化にとどまったが、次回調査で大幅に悪化する可能性があるともみる。

先行き不安が晴れず、中長期投資家の買いの手は伸びようがない。アリアンツ・グローバル・インベスターズ・ジャパンの寺尾和之取締役は「新型コロナの感染拡大の終息が見えないと積極的に買えない」とあきらめ顔だ。国内企業の今期業績の悪化は必至。在宅勤務の増加によるクラウド需要拡大の恩恵を受けられそうなハイテク関連株などに注目してはいるが、「買うタイミングを見極めるのが難しく、様子見姿勢のままだ」とため息をつく。

UBSウェルス・マネジメントの青木大樹・日本地域最高投資責任者は「二番底を付けるシナリオもあり得る」と話す。UBSは2月に入って日本株の投資判断を「強気」から「中立」に引き下げた。期末のドル需要という季節的要因がはげ落ち、企業収益の一段の悪化が見込まれるなか、青木氏は「日本株の転換点はしばらく先になる」とも分析する。

今回の日銀短観で、先行き指数が足元の指数よりも横ばい、もしくは改善しているのは電気機械や繊維など5業種。しかしこうした業種に属する日経平均構成銘柄はほとんど上昇していない。逆にきょう買われているのは足元まで下落基調が厳しかった海運や石油などだ。きょうの相場を見る限り、日銀短観の内容は「ほぼスルー」といえる。

ゴールドマン・サックス証券の試算によると、仮に東京都が1カ月間ロックダウンされた場合、年間の国内総生産(GDP)が約0.7%失われるという。世界的なコロナ拡大動向が見通せず、売買の基本方針を決めきれない投資家は多い。新年度に入っても、ニュースに反応する短期筋の商いに振り回される状況が続きそうだ。

〔日経QUICKニュース(NQN) 末藤加恵〕

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April 01, 2020 at 10:59AM
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