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ボーイングCEOが欠陥機「737 MAX」への対応の不手際により事実上解任される - GIGAZINE

乗り物

by NASA Johnson

2019年12月23日、世界最大の航空宇宙機器開発製造会社であるボーイングデニス・ミュレンバーグCEOが辞任しました。ニューヨーク・タイムズでは、この辞任は、2件の墜落事故を引き起こした欠陥機「ボーイング 737 MAX」への対応の不手際を受けての事実上の「解任」だったと報じています。

Boeing Announces Leadership Changes - Dec 23, 2019
https://boeing.mediaroom.com/2019-12-23-Boeing-Announces-Leadership-Changes


Boeing Fires C.E.O. Dennis Muilenburg - The New York Times
https://www.nytimes.com/2019/12/23/business/Boeing-ceo-muilenburg.html

Boeing fires CEO after disastrous year with 737 MAX | Ars Technica
https://arstechnica.com/tech-policy/2019/12/boeing-fires-ceo-after-disastrous-year-with-737-max/

ニューヨーク・タイムズによると、同社が製造を担った新型宇宙船「スターライナー」のミッション失敗直後に、ボーイング取締役会は全会一致でミュレンバーグCEOの解任を決定したとのこと。2019年12月20日に打ち上げられたスターライナーはミッションの主目的である「国際宇宙ステーションとのドッキング」に失敗、その原因は「機体時刻の設定が間違っていたこと」だと判明しています。

NASAの新型宇宙船「スターライナー」が国際宇宙ステーションに到達失敗、地上への帰還は成功 - GIGAZINE


ボーイング取締役会は、ミュレンバーグCEOの後任としてゼネラル・エレクトリック出身のデビット・カルホーン現会長を指名しました。カルホーン氏は、来年1月13日付けで会長兼CEOに就任する予定で、それまではグレッグ・スミス最高財務責任者(CFO)が暫定的にCEOを務めます。

2018年10月のライオン・エア610便墜落事故、2019年3月のエチオピア航空302便墜落事故という、計346人が犠牲になった2件の事故が737 MAXによるものでした。事故後に行われた調査では、737 MAXの「システムに問題があった」ことが指摘されています。

ボーイング737 MAXに搭載されたシステムの経緯と問題点 - GIGAZINE


この問題は、「ボーイング自体の社風が生み出した」という内部告発も行われました。

ボーイング 737 MAX墜落事故の原因は安全性向上より納期・コストを重視する社風にあるという内部告発 - GIGAZINE

by Marco Tjokro

2019年12月17日、連邦航空局による運航許可が出る見通しが立たず、ボーイングは737 MAXの生産中止を決定。この生産中止は、737 MAXのサプライチェーンを担う約8000社の雇用に影響を与えるとみられています。

ボーイングが墜落事故を起こした「737 MAX」の生産停止を決定 - GIGAZINE

by Steve Lynes

ボーイングの株価は、2019年3月のエチオピア航空302便墜落事故以後、約20%下落していましたが、ミュレンバーグCEO辞任の報を受けて約2%上昇に転じました。

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