金融危機の焼け跡から、アニマルスピリットが息を吹き返したところから、この10年は始まった。株式相場は記録を更新、市場はボラティリティーを克服し、クレジットのスーパーサイクルは増強剤を与えられた。「炎と氷」の10年を駆け足で振り返る。
欧州ソブリン債のメルトダウンから、ポピュリストの台頭、ボラティリティーが猛威を振るう「ボルマゲドン」、シェール革命に至る10年。政治では激震が走り、企業利益は安定を失い、クレジットには衝撃が及んだものの、強気市場で幕を引いた背景には、中央銀行の助け船があった。
テレビで人気を博し始めたドナルド・トランプ氏は、「アメリカ・ファースト」を掲げる米大統領となり、タリフマンとして世界の投資資金の流れを左右した。投資家は政治的な人災やリセッション(景気後退)、期待外れの投資利回りを恐れながらもなんとか回避し、近年で最高の投資利益で10年という時代を閉じた。
債券:リセッションの幽霊
数十年来の低利回り、さらにはマイナス利回りについて、「グレート・リセッションの幽霊がいまだに資本市場を闊歩(かっぽ)しているかのような利回りだ」と表現するのは、かつてリーマン・ブラザーズ・ホールディングスで債券戦略世界責任者を務めたジャック・マルベイ氏。「債券にはリターンの余地がほとんどない状況でこの先10年を考えるとき、いつ容赦ない反転が来るのかというのが最大の問題だ」と述べた。
債券市場の10年 |
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為替:ドル王は安泰
ソブリン危機に始まり、ドラギ欧州中央銀行(ECB)前総裁の「何でもやる」発言をしてもなお不安が拭えないユーロ圏。これに対してドルは準備通貨としての地位をさらに強固にした。
トロント・ドミニオン銀行の通貨戦略欧州責任者、ネッド・ランペルティン氏は「炎と氷の10年と呼んでもよさそうだ」と語る。「危機から危機へと移るばかりの10年だったが、その合間には長い閑散期がみられた」と指摘した。
為替市場の10年 |
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株式:走り続ける猛牛
2015年の人民元切り下げや、2018年のリスク急上昇で強気派はひやりとさせられたが、この10年間リセッション知らずの米経済で、株式市場は記録破りの展開が続いた。
「ニュースの流れに過剰反応する人もいるが、それでは明らかに極めて強い成長サイクルだったこの10年を見失いかねない」とゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントで株式運用に携わるルーク・バーズ氏は述べた。
株式市場の10年 |
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クレジット:レバレッジという怪物
UBSアセット・マネジメントで運用に携わるジョナサン・グレゴリー氏は、「銘柄はどれでも構わない。持ってさえいれば価値が上がった。中央銀行が買ってくれるから」と振り返る。「そういう買い手がいるのだから、適正価格など誰も気にしていない」と続けた。
クレジット市場の10年 |
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原油:シェールの時代
JPモルガン・チェースの石油市場調査を率いるアビシェク・デシュパンデ氏は、「米国は誰も予想しなかったやり方で、石油産業に異変を起こした」と述べた。
原油市場の10年 |
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原題: The ‘Fire and Ice’ Decade That Changed Everything on Wall Street(抜粋)
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December 30, 2019 at 03:00AM
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