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JR豊肥線の復旧区間を走る下り一番列車。立野のスイッチバックを折り返し、阿蘇方面に向かう=8日午前6時10分ごろ、南阿蘇村(後藤仁孝)
JR豊肥線が全線再開し、阿蘇方面に向かって出発する観光特急列車「あそぼーい!」=8日午前9時すぎ、熊本市西区のJR熊本駅(飛松佐和子)

 2016年4月の熊本地震で被災し、不通となっていたJR豊肥線の肥後大津(大津町)-阿蘇(阿蘇市)間27・3キロの運行が8日午前、4年4カ月ぶりに再開した。熊本都市圏と阿蘇地域を結ぶ大動脈の復旧で、沿線住民らの暮らしを支える交通手段が回復し、地震や豪雨で寸断されていた観光振興の後押しとなる。

 JR九州によると、同区間は熊本地震の本震とその後の豪雨で被害が多発。山腹崩壊で線路が埋まったり、流失したりした。17年7月から復旧工事に着手し、南阿蘇村を中心に計約10キロでレールを敷き直した。立野(南阿蘇村)ー赤水(阿蘇市)間の傾斜地をジグザグに進む名物の「スイッチバック」も復活した。

 この日、熊本市西区のJR熊本駅では午前8時20分から、関係者が出席して出発式があり、鉄道ファンらが開通を祝った。地震で地域全体が甚大な被害を受けた立野駅では同9時50分すぎ、住民たちが熊本発別府行きの観光特急列車「あそぼーい!」を出迎え、乗客たちにおもてなしをした。