関西電力が、筆頭株主の大阪市が提案した橋下徹元市長の社外取締役起用案について、拒否する方針を固めたことが20日、分かった。同日開いた人事・報酬等諮問委員会で大阪市の提案を議論したが、6月の株主総会で提案する役員人事案には橋下氏を含めない方向となった。今月28日に開く取締役会で最終的な結論を出し、文書で回答することにしている。

人事・報酬等諮問委では、橋下氏は特定の政党色が強いことに加えて、大阪市の意見だけを取り入れることに慎重意見が相次いだとみられる。

松井一郎市長は17日、関電役員らの金品受領問題などの再発防止に向け、橋下氏を社外取締役に推薦する文書を関電に提出した。「経営の透明性を確保し、業務改善計画の実施状況を点検するため」の外部人材として、豊富な公職経験がある橋下氏が適任とした。橋下氏は了承しているという。松井氏は関電が提案を断った場合、株主代表訴訟に踏み切る可能性を示唆している。

関電は28日の取締役会で会社の統治形態を「指名委員会等設置会社」に移行することも決定する。新たな形態では社外取締役の権限が強まる。関電は新たな社外取締役の人選を、大企業の経営経験者を中心に進めている。(共同)