昨年8月に経営破綻した米高級百貨店チェーン「バーニーズ・ニューヨーク」は23日までに米国内全店舗の閉店セールを終え、97年の歴史に幕を下ろした。ファッション文化の発信拠点として世界的に知られたが、インターネット通販の拡大や主力店の賃料高騰の影響で行き詰まった。

ニューヨーク中心部マンハッタンの主力店。常連だったストゥリーギスさん(50)は掘り出し物の洋服や靴を求め21日に訪れた。だが棚から商品が消え、かつての華やかな雰囲気はなかった。「時代の流れだけど寂しい」と空き店舗が増えつつある街路に目をやった。

この店は予定より1日早い22日にセールを終了。23日はマネキンや棚の撤去作業が行われた。

バーニーズは1923年に創業。イタリアのブランド「アルマーニ」などを米国にいち早く紹介したことで知られる。米西部サンフランシスコなどにも店舗を展開していた。

バーニーズは今後、別の米高級百貨店内の店舗として復活するという。知的財産を昨年11月に買収した米ブランド管理会社が検討中だ。

ただ消費者のニーズは大きく変わっている。主力店の近くで働くリーさん(35)は洋服にはお金をかけない。バーニーズの新たな店ができても「たぶん行かない」と素っ気ない。

日本の店舗はセブン&アイ・ホールディングス傘下にあり、破綻後も通常通り営業している。(共同)