レバノンに逃亡した前日産自動車会長カルロス・ゴーン被告は9日、森雅子法相が被告の記者会見を受けて「わが国の法制度や運用について誤った事実を殊更に喧伝(けんでん)し、到底看過できない」などと批判したことに対し「非常に愚かだ」と反発した。レバノンのテレビインタビューに答えた。

ゴーン被告は8日の記者会見で、日本の司法制度について「『推定有罪』の原則がはびこっている」と非難。森氏も9日に2回にわたって記者会見し「適正な手続きを定め、適正に運用されている」と反論するなど、非難の応酬となっている。

被告は森氏の記者会見を受けた9日のテレビインタビューで「日本の司法制度は時代遅れだ」と主張。「有罪率は99・4%で、司法制度が腐敗している。(罪のない)多くの人が刑務所に入れられている」と述べた。

法相が個別事件に関して会見すること自体が極めて珍しい。保釈がなかなか認められないとするゴーン被告の主張に欧米やレバノンの一部メディアが同調。日本政府は、国際社会に被告への賛同が広がるのを打ち消そうと躍起になっている。(共同)