
Photographer: Bloomberg/Bloomberg
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2019年7-9月期の実質国内総生産(GDP)改定値は前期比年率1.8%増と、速報値の0.2%増から上方修正された。市場予想の0.6%増を上回った。設備投資などの上振れが寄与した。10月のモノやサービスを含む海外との総合的な取引を示す経常収支は、64カ月連続の黒字となった。内閣府と財務省がそれぞれ9日発表した。
キーポイント |
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エコノミストの見方
みずほ証券の宮川憲央シニアエコノミスト:
- 年率GDPの上方修正は設備投資が主な要因。米中貿易摩擦などあるものの、企業は人手不足に直面しており省力化投資など設備投資の必要がある。消費増税前に投資する動きがあった可能性も
- 増税前の駆け込みの要因もあるが、日本経済全体で見ると内需は引き続き底堅い
- 日本銀行としては心強い内容。今月の会合での政策変更を迫るものではない
日本総研の成瀬道紀副主任研究員:
- 大幅な上方修正になった。今回は年次推計と同時だったので、全項目に季節調整をかけ替えるために普段変わらない消費や輸出入が全て上向きにずれ、普段より大きな修正になった
- 企業収益は落ちてきているが、その中でも人手不足に対応した投資がある程度底堅く、設備投資は上向きが続いている
- 経済対策は7-9月までのGDPを見ると全くやる必要がない。あくまで予防的ということで10-12月期にどうなるかだ。10-12月期は落ち込むだろうが、その後は雇用所得環境も好調で、外需も今が底とみている
詳細
- GDP(内閣府の説明)
- 設備投資は法人企業統計の結果を反映して上方改定
- 10-12月期の見通しについてはコメントを控える
- 外需に関しては1次速報からほとんど改定がないので、訪日外国人による消費の減少がサービス輸出を引き下げたということは変わらない
- 経常収支(財務省の説明)
- 輸出・輸入ともに減少するも、油価下落に伴い輸入減少幅が大きく黒字に
- 旅行収支は縮小。10月はラグビーワールドカップがあったものの、韓国からの訪日客が減少
- 第1次所得収支は黒字幅縮小。日本進出企業の海外親会社に対する配当金の支払い増で直接投資収益が減少
背景
- 7-9月期 法人企業統計では、GDP改定値に反映されるソフトウエア除く全産業(金融・保険を除く)の設備投資は2四半期ぶりにプラス。自動車や通信機器向け電子部品の生産能力増強や卸売業の物流施設の新設などが寄与し、市場予想を上回った
- 政府は11月の月例経済報告で、国内景気の総括判断を「景気は輸出を中心に弱さが長引いているものの、緩やかに回復している」を維持。設備投資については「機械投資に弱さもみられるが、緩やかな増加傾向にある」を据え置く一方、企業収益は「製造業中心に弱含んでいる」に下方修正
- 政府は5日の臨時閣議で、台風19号など相次ぐ自然災害を受けた復旧・復興や景気下振れリスクに対応するための新たな経済対策を決定した。民間支出を含む事業規模は26.0兆円程度、財政支出は13.2兆円
(詳細を追加し、エコノミストコメントを差し替えて更新しました)
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